力説したい夜がある。
他の誰も面白いと思わなくても、自分だけはものすごいツボに入ることがある…
バルバロッサ
先日ボードゲーム仲間との合宿があった。
さて、この合宿の夜。
参加者6人ということでバルバロッサを選んでみた。
力説したい夜がある。
他の誰も面白いと思わなくても、自分だけはものすごいツボに入ることがある…
先日ボードゲーム仲間との合宿があった。
さて、この合宿の夜。
参加者6人ということでバルバロッサを選んでみた。
さらりとした小麦粘土を使って作品を作るゲームである。
今回は、人数が多めなのでクイックバルバロッサというルールを採用。
とにかく粘土をつくってお題を当てるのだ。
・1人2作品作る。
・お題は各々自由に決めて、メモに書いておく。
・順番に作品を選び、3回質問する。「食べ物ですか?」等
・質問の後、お題を当てにいくアタックチャンス。当てたら2点もらえる。
・お題を当てられた作者は、質問された段階によって、点数が0〜2点もらえる。
お題は、わかりやすすぎても0点、わかりにくすぎても0点になってしまう。
ほどほどにわかりにくく、でも誰かには当ててもらえる、そんな作り方ができれば完璧である。
バルバロッサではまず、質問されたいというのがある。自分でせっかく作った作品でも、興味をもってもらえないとつまらないのである。
想像力を掻き立てるような作品、目立つ作品、引きのあるものを作りたい…
そんな思いで作った私の作品はこちらである。
どうだ…
何か沢山いて面白いではないか…色はきたならしいが…
べーさんという人に、「これはゴミかなんかであろう」というようなことを言われたが、断じてゴミではない。
正解は、村である。一際背の高い家には、長老が住んでいる設定だ。
もうひとつは、こちら。
ゴミの隣の平たいやつである。
この平たいやつは、爪のつもりである。
みんなの作品が出来上がったら、ゲーム開始。
一番はじめに作品を完成させた芸術家からスタート。
気になる作品を選び、質問していく。
そして、私の作品(村)を選んでくれる人が現れた!
もーさん「これは生きているものですか?」
私「…エート普通は違うと思いますが、そうともいえます」
もーさん「これは動きますか?」
私「動きません」
もーさん「これは…集落ですか?」
!それは…「せ、正解です…!」
言い方は違うが、正解だ。
一同、ざわめく。
「なんでわかったんですか?!」と問うが、もーさんの目はどこか遠くを見つめていた…
もーさん「白川郷に見えてきた…」
白川郷…
↑白川郷(写真:世界遺産オンラインガイドより)
↓私の村
なんと…たたずむ家々の雰囲気がまるでそっくりである…
違うのは私の村がころころ丸い点、色がきたならしい点、フォルムが極度に抽象化されている点くらいだ…
私は、無意識のうちに白川郷を再現していたのだ…見たことなかったけど…
知らなかった…
早々に当てられてしまったが、
ゴミが白川郷へと昇格し、私は大変いい気分になった。
さて、気になる作品があった。
圧倒的宇宙感、ファンシーな色、謎の5体の足…
なんだこれは?
宇宙人なのか、テトラポッドなのか、はたまたウインナーなのか…非常に想像をかきたてられる作品である。
作者はもーさん。
はじめに斬り込んだのは、オットであった。
「これは生き物ですか?」
「いいえ」
「これは海を渡ったりしますか?」
「いいえ」
「これは電気を食べますか?」
「???いいえ」
ムーミンにでてくる生き物ニョロニョロに決めてかかった夫は撃沈。
質問の軌道修正を行わず突っ走った結果大した情報を得られなかった。
次々と斬り込むメンバー。
2度目の夫、「生き物でもないし海にもいない」と言われているのに、
「フナムシですか」としつこく聞いてもーさんを困惑させていた。
フナムシ…
フナムシのことを私はよく知らないが、なんだか可愛らしい響きである。
もうこうなると、フナムシであってほしいと、確かに思えてくる。
途中、他の人の作ったトイレットペーパーやソフトクリームがフナムシの上にボトっと落下する事故があり、ゲームは一時中断した。
「フナムシが…」「フナムシが…」
「芸術作品が…」
吹き飛び潰れたフナムシは無事に、再び立った。
芸術は強靭である。
さてだいすけ氏が追及した結果、
1つ1つのフナムシは、テトラポッドではなく人であることがわかった。
「人」
「5つじゃない場合もあります」
(ならば…これはアイドルグループだろうか…SMAPか…AKBだろうか…AKBだとしたら、どの時代のAKBだろうか…私は前田敦ちゃんが好きだ…)
「スポーツです」
スポーツ…
そしてだいすけ氏は当てに行った!
「これはマラソンですか?」
どのあたりのどのへんがマラソンなのだろうと思っていると、
「違います。惜しいです」とのこと。
そして次の私の番。
もう、フナムシのフォルムなんてどうでもいい。
世の中には、私の想像力の及ばないこともある。
私は30年弱の人生経験から、「マラソン」に近いスポーツ…5人でなくてもいい…その答えを導き出した…
「駅伝ですか?!」
もーさん「正解でーす」
ヤッホーヤッホー。なんでも当たれば嬉しいものである。
正しくは、「箱根駅伝」であるらしかった。
もーさんの熱弁によると、もーさんは箱根駅伝が大好きである。お正月の楽しみである。今年もまた応援に行きたいと思っている。この5人の立ち位置は、箱根駅伝のコースのカーブを如実に表している。中央大学や早稲田大学が競っている様子を表している…
なるほど…
箱根駅伝
こんな熱い想いで作った作品だったのだ。「フナムシフナムシ」と繰り返し言われたのはさぞ心外であっただろう…
ゲーム全体では、やはりもーさんが圧倒的想像力により、他の人の作品を当てまくり、優勝となった。
しかし私はこの日のフナムシのことを決して忘れないだろう…
うち倒れたフナムシを…
立ち上がったフナムシを…
もーさんの熱い想いを…
そして夜は更けていくのであった…
モアイ像!
明太子。
バルバロッサ (Barbarossa) 日本語版 ボードゲーム