先日ボードゲーム合宿があった。
合宿中のたのしいボードゲームの様子はこちら
さてこのボードゲーム合宿中のこと。
朝食時、食堂でごはんを盛り盛りにおかわりしていると、後ろから話しかけられた。
「あの、カラフルな箱?ボードゲーム?って何ですか!」
「うちの子でもできそうなおすすめ、教えてください!」
合宿をしていた施設には子育て関係のサークルさんも来ていて、その方は窓ごしにボードゲームを見ていたのだという。
聞いてみると5歳の女の子のお母さんということで、仲間たちに相談。
「雲の上のユニコーンはどうか?」という話になった。
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雲の上のユニコーンについて詳しくは、さいころテーブルさんのブログをご参照いただきたい。
「雲の上のユニコーン」─これは競争なのか?と思わされるほんわかすごろく─ | さいころテーブル
ピンクのユニコーンのゲーム。
これは「ピンクのキラキラした」クリスタルを沢山もらえるすごろくだ。箱の色もサイコロの形も内容もみんなかわいいのである。
サイコロをふり、雲の上のマスを進んでいく。
「宝石マス」に止まると、宝石サイコロを振ることができ、出た目のぶんだけ、クリスタルがもらえる。
もーさんにこのゲームを紹介してもらい、「大人には物足りないと思うけど」と言われつつ、まずはこのデザインにメロメロ。
人生ゲームをはじめとする「すごろく」というと、税金を取られたり財布を落としたり失業したりふられたり、嫌なことも起こるのが常だが、このすごろくはもらえるばっかりである。
唯一、「宝石を好きな人にあげる」マスがあるが、
「好きな人に」というところが、にくい。せっかくゲットしたクリスタルでも、好きな人にならあげてもいいかもしれないじゃないか。
好きな人なんて言われたら、誰にあげよう。ママか。隣の家の男の子か。
そこからもう可愛いじゃないか。
隣の家の男の子やパパは気を揉むかもしれないが、
なんて罪のない、悲しいことのない、可愛いゲームだろう。
朝食後、ボードゲームで遊んでいると、先ほどのお母さんと女の子がやってきた。
毒々しいボードゲームをやっていた我々は、一旦ゲームを中断し、雲の上のユニコーンを広げてみた。
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女の子ははじめポカンとしていたが、もーさんがルールを説明すると、きちんと聞いている様子。
サイコロをふってもらい、2歩すすむ。
すると、宝石がもらえるピンクマスに止まった!
女の子がピンクのサイコロをふると、出たのは「3」の目。
「では、宝石が3個もらえま〜す!」
と言ってピンクのクリスタルをジャラジャラ渡すと、彼女は目を見開いて驚いた。両手で受け取って、パァァァと目を輝かせ、宝石をぎゅっと握った。
何とも言えない、嬉しそうな表情であった。
普段子どもと接しない私は、その純粋な嬉しそうな顔にデレッデレであった。
その後すぐ、彼女たちはサークルの集まりのため途中退席。
「きっと買います!」とお母さんは言っていた。
しばらくして、また我々が毒々しいゲームに興じていると、女の子が戻って来た。
「ごめんなさい」とお母さん。
女の子の手には、さきほどのユニコーンのピンクのクリスタルが握られていた。
「持って来ちゃったみたいで…」
女の子はお母さんに言われて素直に返してくれたが、彼女はきっと、「本当にもらえた」と思ったのだろう。この素晴らしいピンクのクリスタルをもらえて、本当に嬉しかったのだろう。
まだ<ゲームの中で起こること>と、<現実>の区別がついていない。
でもそれは、実はすごく幸せなことなんじゃないかなあ、今しかない幸せなんじゃないかなあ…と思った。
家に帰ってから、「あの子は家に帰ってお母さんとクリスタルの話をしただろうか」「クリスマスに買ってもらうのだろうか」と気になって、夫にぼそぼそつぶやく私であった。